ライカM3グッタペルカ張り替えの儀
前回の記事で少し触れておりましたが、手に入れたライカM3のグッタペルカの状態が悪く、今回思い切って張替えを行うことにいたしました。
これが購入してすぐの写真。フレームセレクターレバーの脇とか、よく見ると補修後だらけです。
まぁ記事にも書いた通り、50年以上前のカメラに対し、傷もなく経年劣化もない状態であることを期待するような性格でもないので、「こんなもんでしょ」と使っていこうかと思っていたんですが、
使用して1,2週間のうちに剥がれがひどくなってきたり、ぺこぺこ浮いてきてるとことを発見したり、知らないうちに手が黒くなってたりしてちょっと直さなあかんなと。
ただ、グッタペルカの修理ってそうそう簡単なものじゃなくて、これそもそも革ではなく樹脂なんですよね。
なので欠けたものを拾い集めて熱して貼りなおしたり、ほかのカメラから剥いだものを適当な大きさにカットして貼りなおしたりしなきゃいけない。
もともと欠けた部分も多かったので、個人で補修するのは難しい状態でした。
全国にはいくつか補修を手掛ける業者さんもいるようですが、そもそもグッタペルカの補修のみを受けることは少なかったり、値段はべらぼーに高かったり、結局合皮に張り替えてる所だったりで、なんとなく踏ん切りがつきませんでした。
(情報をくれたせいじゅさん、本当にありがとうございました。)
そんなこんなで、「もうこの際合皮で仕上げてくれるとこに任せようかな」と思っていたところ、M3はじめ、オリジナルのカメラの張り革を販売しているAki-Asahiさんというお店を発見。
色やシボの感じ、素材も豊富に用意してあり、興味をそそられました。
見ると、自分の好きな深い緑(モスグリーンとかオリーブグリーン)も用意しているっぽい。(見本写真の中に発見した)ので、さっそく注文。
しようとしたところ、どうやらオリーブグリーンの取り扱いは終わってしまっているとのこと。
でももう自分のライカを緑に染めることしか考えられず、一度走り出した想いはもう変えることが出来ません。
「この際、その革自分で染めてやるわ」
ということで
これを購入。
この染めQ、色んな素材に対して使える優れもので、塗るではなく染める為、色落ちの心配が比較的少ないみたい。今回の試みにピッタリ、だと思う。というか多分ほかに選択肢がない。
ちなみに革はAki-Asahiオリジナルのパターンに近い#4008を選択、色は黒としました。
早速作業開始。
まずベースコートで白く染める作業。本チャンの色でもそうですが、薄く3~4回に分けてスプレーするのがコツのようです。
家の中でやろうとしたら妻に怒られました。当たり前か。
乾燥する時間を利用してグッタペルカを剥いでいきます。
マイナスドライバーで削ると簡単にポロポロ取れます。楽勝。
と思いきや裏が全然取れない。
剥がし液みたいなものをホームセンターか何かで買ってきたほうが良かったかも。
染め作業も並行して行いつつ剥がし作業すること2時間、ようやく全てのグッタペルカを剥がし終えました。
今回私はアルコールとマイナスドライバーで乗り切りました。
ちなみに染め作業はこんな感じ。モスグリーンへ染める際、色むらが出てしまい、多分5回くらいスプレーして乾燥しての繰り返しをしていた。
ベースコートと合わせると8回ほどに分けて染色。地味に時間がかかる。
べたつく糊を除去したのち、早速裏蓋部分をぺたり。
悪くないかも。
正面はフレームセレクター部分から慎重に革を当てがって、その次にセルフタイマーを下げた状態で状態で入れていきます。
ここの作業が一番大変。失敗したらおじゃんですから。
なんとか貼り終わった。
近くで見ると「ん?」という箇所もありますが、まぁ気にしないことにします。
レンズも装着してみました。
軍用ライカっぽくなるかなと思っていましたが、クロームとの組み合わせがちょっとシックな感じ。これはこれで良いかも。
とまぁこんな感じです。グッタペルカの補修はフィルムライカユーザーなら頭を悩ませている方も多いんじゃないかと思い、ブログに簡単にまとめてみました。参考になれば幸いです。
みなさんも自分だけのオリジナルカメラ、作りませんか。